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第37章 亮輔は私たちの子供なのよ！

立花の連れ子としてコロンビアから来日してきた達也は当時５才、千尋はお腹に亮輔を宿していた時期に立花と結婚した。

きっかけは立花が勤務する貿易会社の取引先の受付嬢として千尋は勤務していた。

何度か立花と顔を合わせていくうちに親密な関係になり、その時にコロンビアに子供がいるという事を聞いた。

前妻はコロンビア人でしばらくはコロンビアで親子3人で暮らしていたが、仕事の関係で日本に帰国する事になった。

前妻は日本に行く事を拒み、コロンビアに残った。

元々婚姻関係も結んでおらず、内縁の妻のような関係で、立花が日本に帰国するなら自分は身を引く、と言い達也をどちらが引き取るか何日もかけて話し合いをした。

立花としては一緒に日本に来てくれないか？と何度も頼んだが、首を縦には振らなかった。

【どうしてもここに残らなきゃいけない理由がある…】

それが何の理由かはいくら聞いても口を閉ざしたままだった。

そして話し合いの結果、達也は経済力のある立花が引き取り、内縁の妻との生活にピリオドを打った。

まだ幼い達也が慣れ親しんだコロンビアから日本に移るという事、生みの母と別れるという事で達也は日本に行くのを嫌がった。

だが立花は半ば強引に達也を連れて日本へ帰国した。

言葉も文化も違う国で５才の達也は戸惑い、毎日泣いてばかりの生活を送っていた。