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アナザーストーリー【快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体】特別編
第37章 亮輔は私たちの子供なのよ!
困り果てた立花はスペイン語を話せる家政婦を雇おうとしたが、残念ながらその条件に合う家政婦はおらず、しばらくは同じ環境の子供達と一緒に過ごす為にインターナショナルに通わせた。

徐々にだが、達也は日本語を覚え、千尋とも何度か顔を合わせていた。

「あの頃は若かったせいか、何とかなるだろうって思って【結婚しよう】と言われて、ハイと返事したけど…
いざ一緒に住んでみたらコロンビアに帰りたい、こんな物食べられない、言葉が分からないって泣きわめいて。

私も既に身重な状態だったからあの時は本当に辛かったわ…
あの子も辛かったろうけど、それ以上に私はもっと辛かった…
亮輔が生まれる寸前まであの子を何とかなだめすかしたりしたけど…
亮輔が生まれたら今度は亮輔に付きっきりでいなきゃならないし、それであの子の世話もしなきゃならない。

育児ノイローゼになって心身共に疲れ果てたし…今思えば何であの人と結婚したんだろって少し後悔してるかな…
私にとって【達也】という名前は記憶から消し去りたいぐらい…」

千尋は当時を思いだし、生まれたばかりの亮輔と、コロンビアから来て間もない達也との間に挟まれ、いつ爆発してもおかしくない状況だった。

「そうだな。あの時の君は本当に辛かった…ましてや立花には亮輔くんの事は言えなかったしな…」

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