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アナザーストーリー【快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体】特別編
第42章 楓と初デート
オレは自販機に小銭を入れた。

「うーん、やっぱりお弁当にはお茶なかぁ」

「お茶ね、ちょっと待って」

オレはペットボトルのお茶のボタンを押した。

ガタンと音がして、受けとり口のプラスチック製の蓋を開け、ペットボトルのお茶を楓に渡した。

オレはお茶というよりミネラルウォーターの方がいいな。

ミネラルウォーターのボタンを押してペットボトルを取り出し、再びベンチにすわった。

「…古賀くんさぁ、今日かなり暖かいよ?なのにホットって?」

え?ホットじゃなく冷たいお茶だったの?

テンパってたせいもあるが、お茶=暖かいという先入観故についホットのボタンを押してしまった…

「あぁ、ゴメンゴメン。じゃ、オレのミネラルウォーターと交換する?」

オレはミネラルウォーターを楓に渡して、ホットのお茶はオレが飲もうと思った。

「ううん、ホットでも大丈夫。
ただ今日ポカポカ日和で、外で食べるには絶好の天気よね」

…先にホットか冷たいのか聞けば良かったか。

それよか今は、こんなにいい天気で、遠足のような感じだ。

「じゃあ、いただきます」

オレは海苔の巻いてあるやや形がいびつなおにぎりを手に取り、食べた。

…あぁ、これが手作りの弁当か。

何故だかオレは感動した。

明太子の入ったオレの拳よりもやや小さめなおにぎりが3個もある。

もう1つの弁当箱には唐揚げと少し焦げ目のついた玉子焼き、それとミニトマトが入ってあった。

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