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アナザーストーリー【快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体】特別編
第43章 こうなりゃ、飲もう!
だが…何故かその一言が言えない。
自分で自分の事がもどかしい。

楓は話を続けた。

「私、女子高だったから、この大学に入った時、絶対に彼氏見つけて楽しい女子大生をしようって思って、合コンとか最初のうちは積極的に出てたんだけど、何て言うのかな…
皆一緒に見えて、何だか疲れちゃってね…
実は来週も合コンの予定があるんだけど、もういいかなぁって。
だって毎回同じ事なんだもん。
お酒飲んで、どこに住んでるの?彼氏いるの?
何が趣味なの?って、そんな事ばかり聞いてきて、飽きてきちゃった」

合コンね…
オレはまだ一度も無いけど…

「ふーん、だったら今日みたいにバックレちゃえば?」

オレは素っ気なく楓に言った。

合コンに誘われるならまだマシじゃねぇか、オレなんか一度も誘われた事無いんだぞ!
って言いたいとこだが、そこは言うのを止めておこう、言えば自分が空しくなりそうだ。


「そっかぁ、今日みたいにサボっちゃえばいいのか。
合コン断ると、後が面倒なんだけど…」

楓は下を向いてストローで氷が溶けて水と化したアイスコーヒーを飲んでいる。

「面倒ってのは?」

オレは合コンってのは誰が話を持ってきて、どうやって上手くセッティングしてるのか、全く分からない。

「合コン断ると、何で何で?予定あるの?無いなら行こうよ~とか、じゃ、もう楓は誘わないから!とか言われそうだし」

…オレ女子じゃなくて良かった。

そんな事でそれまでの仲が壊れるんだ?

確かにめんどくせえ話だ。

「オレよくわかんねえんだけど」

頭をポリポリ掻きながら自分の思った事を言ってみた。

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