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アナザーストーリー【快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体】特別編
第44章 弁当の中身は
重い気分で風呂から上がってバスタオルで身体を拭いた。
するとキッチンの方からニンニクの匂いがする。
さっきカラオケボックスで焼きそばやポテトフライ、おまけにパフェまで注文して散々食ったからな…
まぁ、無理してでも食うしかないか…
オレは部屋着に着替え、ダイニングテーブルの席に座った。
目の前にはペペロンチーノとエビとカニの入ったパルメザンチーズの匂いがするグラタンがテーブルに置いてあった。
…さすがに食えねえよ、こんなに。
「今ちょうど出来たばかりだから。そうだ、白ワインがあるんだけど、亮輔もたまには飲んでみる?」
母親はキンキンに冷やした白ワインを取り出し、フルート型のシャンパングラスに注いだ。
「じゃあ、食べようか?その前に乾杯しよっ」
母親は何故か浮かれているような顔をしている。
何か良いことでもあったのだろうか。
「はい、カンパーイ」
「…乾杯」
グラスをカチッと合わせた。
一口飲んだが、白ワインだか、赤ワインだかどうでもいいが、オレは味なんて全く分からない。
とりあえず食うしかないか、オレはフォークを手にしてペペロンチーノを食べた。
美味い、母親の作る料理はハッキリ言ってプロ並みだ。
だが、ただでさえ満腹な胃にこれ以上入りきれない。
フードファイターじゃねぇんだぞ、オレは。
「どう、美味しい?」
「…うん、ニンニクが効いて美味いよ」