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アナザーストーリー【快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体】特別編
第44章 弁当の中身は
オレはとにかく食えるだけ食ってみる事にした。

「じゃあ、今日のお弁当も美味しかった?」

案の定聞いてきた…

「え、うん美味かったよ」

オレは無理矢理ペペロンチーノを腹に詰め込んだ。

「何が一番美味しかった?」

何でそこまで聞いてくるんだ?

「いや、全部美味かったよ。おにぎりも唐揚げも玉子焼きも」

オレは無理矢理ペペロンチーノを食ってるんだ、いちいち聞かなくてもいいだろうに。

その瞬間、グラスをドンッ!とテーブルを叩くように置いて母親は席を立ち、リビングのソファーでタバコに火をつけた。

「ふーん、お弁当の中身全部美味しかったんだ?」

さっきとは打って変わって、シレーっとした目付きでオレを見ていた。

「何だよ、一体?弁当はちゃんと食べたよ!」

オレは腹が苦しくてこれ以上は食えない。
しかも弁当の事なんてどうでもいいだろ。

「今日のお弁当の中身はアスパラのベーコン巻きにウインナー、それとサラダに玄米を入れたご飯を中身にしたの。
で、あのお弁当箱のどこにおにぎりなんて入ってたの?唐揚げは?」

…マジで?オレは今食ったペペロンチーノをリバースしそうになる程、強烈なボティブローを食らったかのようになった。

最初から楓が作る弁当とは違う中身を入れていたのか…

母親はタバコを煙を吐きながら、フン、と鼻で笑った。

クソッ、この女に騙された!
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