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アナザーストーリー【快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体】特別編
第57章 たかがキスごときで
大学を卒業していずれはどこかの会社に就職する。
そして自分で稼いだ金で車を買って初めて自分の車だ、と言える。

だからこの車は半分はオレのような物だが、名義はおじさんだし、乱暴な運転は出来ない。

「亮ちゃんってそういうのハッキリ言うから、私亮ちゃんの事いいなぁって思うの。
合コンの相手なんか、いかにもベンツ乗ってます、って感じで今度オレのベンツでドライブしない?なんて言ってくるんだけど、《その車、あなたがお金を払って買ったの?》って言うと、口を濁すんだよね。

その点、亮ちゃんはハッキリとオレの車じゃない、って言うところに好感が持てるなぁ。
何か変にカッコつけたりしないし、思った事はズバズバ言うから、私的にはそういう人の方が安心出来るんだ」

オレそんなにズバズバ言うタイプだったかな…

まぁ、こんなんだから、合コンに誘われないんだろうな。

「ふーん、よく観察してるねぇ。オレ、他人には興味がないってワケじゃないけど、そこまで深く考えないよ。
人を決まった型のタイプに当てはめ、ああいうタイプはこういう風に接するといいなんてとか心理学的な本がよくあるけど、オレはああいうの一切読まない事にしてるよ」
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