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アナザーストーリー【快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体】特別編
第57章 たかがキスごときで
少し素っ気なかったかな?
でも、自分も他人も決められた型にはめるつもりは無い。

だって人間だもの、そうじゃない他の人には知らない部分なんていっぱい持ってるはず。

先入観だけで判断しないようにしてるのは、オレもそう思われたくないから、相手をそう見ないだけなんだけどね。

「ふーん、やっぱり亮ちゃんって合コンに来るようなタイプじゃないねぇ。どっか違うもん」

「オレ、見ず知らずの人にどうやって話し掛ければいいのか分からないだけだよ。大して天気も良くないのに、いい天気ですね?とかワケの分かんない事言いそうになっちゃうから、初見で仲良くなろうなんて無理だよ」

車は高速の下を通っていたが、渋滞していた。

よし、ここは高速に乗って本格的にドライブしよう。

オレは高速の入り口でETC料金所を通過して、高速に合流した。

ここだと湾岸沿いだから、東京湾がよく見える。

「へぇー、ここの道路通るの初めてかも。普段あまり行かない場所だからね」

楓はまるで電車で靴を脱いで座り、窓の風景を眺めているぐらいの幼い子みたいに湾岸の景色を見ていた。


車で下道だと30分ぐらいの場所だが、高速だとあっという間に海浜公園に着いた。

だが駐車場がどこも満席で、空いてる駐車場を探しにウロウロしていた。

「参ったな、どこも満席だよ。
少し離れた場所に停めるけどいいよね?」

「仕方ないよ。休日はいつも人が多いし、駐車場も少ないからね」
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