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アナザーストーリー【快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体】特別編
第58章 終電に間に合わない
あぁ、確かに疲れがドッと出た。

風呂入って早く寝よう。

今日も母親はいない。店は休日なのにどこに行ったのやら。

まぁ、今のオレとしてはいない方が楽でいいんだが。

その後もオレと楓は休日になるとデートで色々な場所に出掛けた。

この前行った海浜公園にほど近い人気キャラのいるテーマパークや、水族館、遊園地やライブを観たり等、充実した日々を送っていた。

楓はその度に弁当を持参して、オレは腹一杯食べて幸せだった。

だが、毎回楓の作る弁当の内容がワンパターンで、徐々に飽きがきた。

「えぇ、またおにぎり?」

とか

「パエリアこの前作ってきたじゃん?」

等々オレはやや不満げに言ってしまう事もあった。

「じゃいいよ、食べなくて!」

楓は頬を膨らませ、怒る事もしばしばだ。

楓と付き合いだして思ったのは、オレとは価値観が全く違うという事だった。

楓はあくまでも夢見る少女のように、メルヘンな気分でデートをしているみたいだが、オレはもうそろそろ身体の関係に持ち込みたいと思っていた。

オレはもう近親相姦をしないと母親に言って以来、射精をしてない。

ハタチのオレの下半身は溜まっていく一方だ。

多少ギクシャクする事があって、楓もオレもその場で口論するが、後になってお互いに謝るという、元のサヤに戻るので、よくあるカップルの口喧嘩みたいなもんだ。
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