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アナザーストーリー【快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体】特別編
第61章 良かったのか、悪かったのか
いや、オレはお前の方が難しいと思う。

「私も朝風呂入ろっと」

入れ替わるように楓がバスルームに入った。

その間、オレはベッドに入っていたが、頭痛と学校までに行く時間を考えたら、寝る事さえ出来ない。

楓は頭痛薬持ってないかな。

バスルームから出て来た楓に、

「頭痛いんだけど、頭痛薬って持ってる?」と聞いてみた。


「どうしたの?大丈夫?」

楓は心配そうにバッグから小物入れを取り出し、頭痛薬を渡した。

「ありがとう。オレ今日学校休もうかな。二日酔いってのは、オレにはキツいよ」

「亮ちゃん結構飲めるけど、二日酔いになっちゃうんだ?
私は一度も二日酔いになった事無いけど…これじゃ学校に言えないよね」

行けないだろ、しかも二人きりだから分からないけど、外に出たらオレたちかなり酒臭いはずだぞ。

「楓は学校行くのか?朝からビールなんて飲んで、酒臭いって言われるかもしれないぞ?」

あっ!と思い出したかのように楓は身体にアルコールの臭いが染み付いて無いか、気にし始めた。

「いくら歯を磨いても、酒臭いのはなかなか取れないしね。
私も休んじゃおうかな」


というワケで、オレたちはチェックアウトギリギリまで部屋にいて、ホテルを後にした。

ホテルから出る時、周りに人がいないか確認して、直ぐ様通りに出て、何事も無かったかのように、歩いた。

駅で楓と別れ、まだ二日酔いでフラフラと重く感じる身体を引きずるようにして、ようやく家にたどり着いた。


何だか良かったのか、悪かったのか、よく分からない夕べの出来事だった。
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