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アナザーストーリー【快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体】特別編
第15章 厳かな卒業式のはずだったのに…
おじさんには随分と世話になった。
だから合格して真っ先に伝えた。

おじさんも喜んでくれて、オレは今まで世話になった事を感謝した。


4月からは高校生だ。しかも全寮制というオレには未知の生活が待っている。

団地やマンションの様な寮をイメージしたが、パンフレットには建物もそれほど古くはなく、快適に過ごしやすい環境だと書いてあった。

受験の日に校舎には入ったが、寮まで確認する事の余裕は無かった。

受験して合格発表の日まで間、オレはほとんど眠れなかった。

もし、落ちたらどうしよう?他の学校の二次募集に受けなきゃならないのか?
それともこのまま卒業して、寮の完備してある会社に中卒として働こうか、とにかく色々な事が頭の中を駆け巡り、とてもじゃないがグッスリと眠れる余裕すら無かった。

食欲も同様に失せ、その間だけでオレはゲッソリと痩せ細ってしまう程だった。

だが、合格という報せを受けると、緊張の糸が切れたかの様に、オレはベッドに倒れ込み、今まで睡眠不足だったせいもあってか、深い眠りについた。

当然、食欲も復活してくる。
オレは卒業までの間、食って寝て、そしてまた食って寝るという繰り返しで、あれだけゲッソリと痩せ細っていたのに、みるみるうちに少し太りぎみになってしまった。


それだけオレにとってはこの受験が今後の人生を左右する程の大きな出来事だったのだ。


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