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アナザーストーリー【快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体】特別編
第18章 アイツだけ特別扱いか?
入学して半月が過ぎた。

オレやヒロト、カズは特に問題もなく寮生活を無難に過ごしていた。

ただ…1名がどうも、その何と言うか…

そう、あの宇棚だ。

とにかく何しにこの学校に入ったのだろう?
寮生活というのを何だと思っているのだろうか?
何故、そんなに留年しているのか?

そして最大の謎は、この進学校に受験して合格した、という事だ。

彼はとにかく意味不明な行動といい、どうやったらそんな単語を間違えるんだ?というぐらいに言葉が変だ。

オレたちが夜中寝ているにも関わらず、食堂のポットを使い、
部屋でズルズルと音を立てながらカップラーメンを食べ、ひたすらスマホを眺めている。

食べる音と、スマホの明かりでとてもじゃないが寝れない。

「宇棚さん、消灯時間とっくに過ぎてるんですよ。オレら寝てるんすよ?夜中にゴソゴソとやってないで寝たらどうですか?」

ヒロトは注意した。

しかし彼は

「はい、わかりました!」

とデカイ声で返事する。

「あの…声が大きすぎますよ」

カズも眠れないらしく、彼にもう少し小さな声で返事して欲しいと注意する。

「大丈夫です。私、わかります。朝食に納豆とハムエッグ、炊き込みご飯ありですか?」

「…は?」

今夜中だぞ?朝の飯の事なんて考えてないで寝てくれよ!

「あのさぁ…」

さすがにオレも寝付けなくてイライラしていた。

「オレらより3つ上で一応先輩って事なんだろうけど、何でそんなに留年してんの?何でそんなに寮生活の規則を守れないの?ねぇ、なんなの一体?」

他の部屋の連中はもうとっくに寝静まっている。

だがオレらの部屋だけはいつも夜中に彼が何かしらゴソゴソやっていて、寝不足になり、翌朝はかなりツラい。

「私、皆の心解ります。私、皆の相談受けて先生言われます」

「…」

サッパリ意味が解らねえ!
しかも満面の笑みでふざけた事ぬかしやがって…

「…なぁ、朝になったらオレら寮長に言って、部屋割り変えてもらうように頼もうぜ。これじゃちっとも寝れやしない」

「もうそれしかないよな…」

「う、うん。これじゃ寝れないし…」

ヒロトもカズもオレの提案に賛成で、朝になったら寮長に言って部屋を変えてもらおう、それしかない。


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