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アナザーストーリー【快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体】特別編
第18章 アイツだけ特別扱いか?
最初は少し普通の人と違う、いわゆる何らかの障害がある人だと思ってか、オレらは言うのを躊躇ったが、一緒に生活していて、そういう類いの人では無く、ただ単に恐ろしく空気が読めない、困ったヤツだった。

寮生活なんだから、あれだけ夜中にモゾモゾゴソゴソするんじゃない!と注意しても、返事をするだけで理解していない。



こんな真夜中に起きて、朝はシッカリ飯を食ってる。

授業中寝てるんじゃないか?

そんな疑問さえ感じてしまう。

そして翌朝、オレらは食堂へ向かった。

ただでさえ寝不足だと言うのに、飯なんて食う気にもなれない。

「おはようございます」

「おはようです」

「…おはようこざいます…」

朝食のために食堂に入る時は必ず朝の挨拶、席に着いて食事の前後には「いただきます」と「ご馳走さま」を言うこと。それがここの規則らしい。


オレたちは飯より先にまず寮長の所へ行った。

食堂でちゃんと朝ごはんを食べに来てるかどうか点呼をとっている。

「リョースケ、今言おうぜ」

ヒロトがオレとカズに耳打ちした。

「よし、じゃ飯食う前に言うか」


そして食堂の入り口で生徒1人1人がちゃんと来ているかどうかチェックしている寮長に直談判した。

「寮長、あの部屋割りの事なんですが、その。オレたち夜中にああやってゴソゴソとやられると寝れなくて授業にも差し支えるので、何とかもう一度部屋割りを、いやあの宇棚って人を205号室から他の部屋に移るって事は出来ないでしょうか?」

代表してオレが寮長に言った。

これ以上、寝不足で授業どころじゃない、こっちの身体がもたなくなる。

寮長は、歯切れの悪い返事した。

「…あぁ、うん、まぁ…しかし一旦決めた事だからなぁ」

という事は我慢しろって事なのか?

「無理ですよ!多少の音なら我慢出来ますが、ドタドタと歩くし、ガサゴソ物を漁って、カップラーメンを食ってるんですよ?消灯時間とっくに過ぎてるのに、何であんな勝手な事が許されるんですか?」

ヒロトも寮長に詰め寄る。

「いや、参ったな、しかし…」

寮長は頭をポリポリ掻きながら返答に困っている。

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