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アナザーストーリー【快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体】特別編
第23章 やや憂鬱な夏休み
ヤバい、悟られないようにしないと、オレはそそくさと中に入り、部屋に荷物を置き、洗面所で手洗いとうがいをした。

「何だこりゃ?随分といっぱい作ったな、おい?」

おじさんが半ば呆れる程、テーブルにはパスタやサラダ、夏野菜をふんだんに使った炒め物や、キッシュ、アクアパッツァ等々…

「こんなに食べきれないよ」

さすがのオレもこんな量はとても食えない。

でも母親がオレの為に作ってくれたんだ、久々に母親の手料理をご馳走になろう。

そして冷蔵庫からグラスと冷えたスパークリングワインを取り出し、ポンッとコルクを抜いた音と共に炭酸独特のシュワシュワした発泡をグラスに注いだ。

「おいおい、オレはまだこれから仕事が残ってるんだ、こんな時間からアルコールなんて」

おじさんは仕事の途中で抜け出し、オレを迎えに来てくれたのか…

「一杯ぐらいならいいでしょ?亮輔は何を飲む?」

母親は冷蔵庫にある炭酸飲料水やミネラルウォーター、ウーロン茶等を出し、テーブルにはもう置く所が無いという程、料理と飲み物でいっぱいだ。

「ウーロン茶でいいよ」

外は梅雨明けで、これからが夏真っ盛りという程の猛暑だったが、車の中と家の中のエアコンのせいか、暑さを感じなかったが、喉はカラカラだった。

「じゃ、亮輔くんが無事に一学期を終えて家に戻ってきた事に乾杯!」

「かんぱ~い!」

「乾杯…」

3人でグラスをカチッと合わせ、母親は実に美味しそうにスパークリングワインを飲み干した。

「あぁ、今日のお酒はホントに格別ね!亮輔、遠慮しないでどんどん食べてね。沢渡さんも少し召し上がったらいかが?」

母親は上機嫌だ。

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