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アナザーストーリー【快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体】特別編
第26章 高校時代の優等生とヤンキー
オレはさっさと残りの夕飯を食べ、食器をキッチンに持って、洗った。

「亮輔、それはお母さんがやるからあなたは勉強してなさい」

母親が食器を洗おうとしたが、寮生活の習慣からか、自分の事は自分でやるという生活が身についていた。

「ほう、さすがに寮生活をするようになって随分と変わってきたね、亮輔くんは」

まるで我が子のようにオレが食器を洗ってる姿を見て、目を細めていた。

「そうだ、たまにはお店に顔出さなきゃね。亮輔悪いけどお母さんこれからお店に行くけど帰りは遅くなるからあまり夜更かししないで早く寝るのよ」

母親は自室に入り、着替えを始めた。


「何だ珍しいな、こんな時間に店に顔出すなんて」

母親が経営している水商売の店には月に数回顔を出している。

常連の人の相手もしなきゃならないから夜の仕事ってのは大変だ。

和服に着替え、髪を結って先ほどまで母性溢れる母親から夜の街で客の相手をするホステスへと変わっていた。

「沢渡さん、お店に寄る?」

母親が聞いたが、おじさんはもう少しここにいてから真っ直ぐ家に帰ると言う。

「それじゃ行ってくるから。亮輔後の事はお願いね」

そそくさと玄関の扉を開け、母親は夜の街へと向かった。

ったく、邪魔するから店に行ったじゃないか!

オレはおじさんに嫉妬心が湧いてきた。

今は仕事のパートナーと言っていたが、まだ肉体関係は続いているはずだ。

そう考えると何だかおじさんに抱かれる母親を想像してしまい、苛立ちすら感じてしまう。

いつもなら、こんな父親がいてくれたら…何て思っていたけど、今日だけはおじさんという存在が邪魔だ。

何しに来たのか知らないが、さっさと出ていってくれないかな、ホントに。

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