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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第14章 第三話 【観玉寺の廃妃】  祭りの夜
「行きはあの犬がいたからまだ良かったものの、帰りは、そなた一人では心許ないな」
「大丈夫よ、私はこの道はいつも通い慣れてるもの。平気」
 気丈に言うソリではあるが、かといって、一人で帰すわけにもゆかない。
 明姫が思いついて言った。
「まだ他の村人がいますから、ソリと一緒に帰って貰えないかどうか訊いてきましょう」
 明姫は近くにいた子連れの中年夫婦に話しかけた。
「済みません。ソリという女の子がこれからふもとの村まで帰るのですが、一緒に村まで帰ってあげて頂けますか?」
「こ、これは淑媛さま」
 夫婦たちは明姫が誰であるか知っていたらしく、愕いた様子で恐縮している。
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