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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第2章 第一話 【桜草】 戸惑いと、ときめきと
母には、それが我慢ならないらしい。私が母の手を離れて一人歩き始めた頃から、母もまた父のように精神に変調を来たすようになってしまってね。急に上機嫌になったかと思うと、いきなりふさぎ込んでしまったり、些細なことに怒り出したりする。子どもの頃は強い女だと思っていた母は、もしかしたら、とても脆い人だったのではないか、最近はそんな風にも思えてならない」
「何て言ったら良いか、よく判らないけど。あなたも色々と大変だったのね」
返す言葉もなく、逃げを打つしかなかったが、男は明姫から応えを引きだそうとは考えていなかったようだ。ただ長らく自分の中にわだかまっていて吐き出せなかった想いを誰かに聞いて欲しかったのだろう。
「何て言ったら良いか、よく判らないけど。あなたも色々と大変だったのね」
返す言葉もなく、逃げを打つしかなかったが、男は明姫から応えを引きだそうとは考えていなかったようだ。ただ長らく自分の中にわだかまっていて吐き出せなかった想いを誰かに聞いて欲しかったのだろう。