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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第2章 第一話 【桜草】 戸惑いと、ときめきと
「送っていくよ」
「要らない」
 素っ気ない返事に、ユンが溜息をつく。
「だが、昼間のように、無頼の輩に絡まれたら困るだろう」
「でも、あなたはお屋敷に帰るんでしょ。私は宮殿に戻らなくてはならないから。わざわざ送って貰うほどのこともないし」
「そなたを無事に送り届けてから、宮殿を出ても良い。まだ門が閉まる時刻には十分余裕がある」
 折角の申し出をこれ以上、断れない。しかも、実のところ、明姫はユンと一緒に少しでもいたいのだった。
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