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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第22章 第二部【身代わりの王妃】 稚(おさ)な妻
「確かに変わった娘のようだ。だが、別に寺でなくとも、学問はここでもできるぞ? 宮殿の書庫には、この国に一つしかない貴重な書物もある。王妃たるそなたであれば、自由に読むことができよう」
「それは」
予想外な応えが返ってきて、春花は言葉にに窮した。
「もう一つ、私が幼い頃から考えてきたことがあります」
「まだ夢があるのか?」
王が愉快そうに言うのに、春花は一瞬、言い淀んだが、覚悟を決めて言った。
「私は生涯、誰にも嫁すつもりはなく、寺に入って御仏にお仕えすることが夢だったのです」
「それは」
予想外な応えが返ってきて、春花は言葉にに窮した。
「もう一つ、私が幼い頃から考えてきたことがあります」
「まだ夢があるのか?」
王が愉快そうに言うのに、春花は一瞬、言い淀んだが、覚悟を決めて言った。
「私は生涯、誰にも嫁すつもりはなく、寺に入って御仏にお仕えすることが夢だったのです」