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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第3章 第一話【桜草】 逢いたくて~恋ごころ~
一日の勤めを終え、やっと自分の居室に戻れた。明姫は更に時間が過ぎるのを待った。ユンは刻限の指定まではしなかったが、常識的に考えて宵の口ではないはずだ。夜更けでなければ、誰かに二人で逢っているところを見つけられる可能性があるからだ。
なので、かなり夜が更けるのを待ってから、明姫はそっと部屋を抜け出した。足音を忍ばせ、廊下をひた歩く。万が一のときを考えて、着ているのは女官のお仕着せだが、編んだ髪にはユンが買ってくれた灰簾石(タンザナイト)の簪を挿し、チョゴリの紐にはお揃いのノリゲを付けていた。
既に部屋を出る前、鏡を覗き込んで何度も確認済みなので、おかしいところはないはずだ。
なので、かなり夜が更けるのを待ってから、明姫はそっと部屋を抜け出した。足音を忍ばせ、廊下をひた歩く。万が一のときを考えて、着ているのは女官のお仕着せだが、編んだ髪にはユンが買ってくれた灰簾石(タンザナイト)の簪を挿し、チョゴリの紐にはお揃いのノリゲを付けていた。
既に部屋を出る前、鏡を覗き込んで何度も確認済みなので、おかしいところはないはずだ。