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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第24章 第二部【身代わりの王妃】 ひそやかな恋情
「そういえば、そなたには兄上がいたのだな」
婚礼前に新妻には兄と弟が一人ずついるという話は聞いた。
「兄は病弱なので、そういうわけにはいきませんでした」
「そう―なのか?」
他に言葉がなく、ユンは相槌を打った。
春花は袖に手を入れると、小さな人形を差し出した。
「殿下、よろしければ、これをお持ち下さい」
「これは―、仏のようだが」
春花は小さく頷いた。
ユンの手のひらに乗ったそれは、小さな小さな仏像であった。無骨な木彫りの仏だが、表情ははっきりしていて、何となくこの寺の本堂の御仏に似ている。
婚礼前に新妻には兄と弟が一人ずついるという話は聞いた。
「兄は病弱なので、そういうわけにはいきませんでした」
「そう―なのか?」
他に言葉がなく、ユンは相槌を打った。
春花は袖に手を入れると、小さな人形を差し出した。
「殿下、よろしければ、これをお持ち下さい」
「これは―、仏のようだが」
春花は小さく頷いた。
ユンの手のひらに乗ったそれは、小さな小さな仏像であった。無骨な木彫りの仏だが、表情ははっきりしていて、何となくこの寺の本堂の御仏に似ている。