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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第4章 第一話【桜草】 蜜月と裏切り
とんでもない失態である。国王夫妻や大妃に知られる前に極秘裏に処理しようと動き出そうとしたまさにその時、大妃が尚宮を振り返った。
「中殿に差し上げる花はまだか?」
「は、はい。ただ今」
尚宮は色を失い、傍らの女官に小声で告げた。
「花冠の取れた花を大妃さまにお見せしてはならぬ。すぐに持ち去り、できるだけ早く代わりの花を用意してくるのだ」
「どうした、何か子細があるのか?」
しかし、大妃も鈍くはない。振り向いた大妃の眼がスウと細められた。美男で知られる国王によく似通った切れ長の眼(まなこ)が妖しく光る。
「中殿に差し上げる花はまだか?」
「は、はい。ただ今」
尚宮は色を失い、傍らの女官に小声で告げた。
「花冠の取れた花を大妃さまにお見せしてはならぬ。すぐに持ち去り、できるだけ早く代わりの花を用意してくるのだ」
「どうした、何か子細があるのか?」
しかし、大妃も鈍くはない。振り向いた大妃の眼がスウと細められた。美男で知られる国王によく似通った切れ長の眼(まなこ)が妖しく光る。