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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第4章 第一話【桜草】 蜜月と裏切り
「その花束を見せよ」
尚宮の咽からヒュッと息が洩れた。万事休す! その場の誰もが一様にそう思った。
「聞こえぬのか。その花束を見せよと申しておる」
その言葉がそも誰に向けられたのかは一目瞭然であった。一同の視線が一斉に明姫に集中する。明姫はその場に立ちすくんだ。あたかも皆の視線が同時に自分に突き刺さってくるような恐怖と圧迫感を憶えた。我知らず身体が震える。
「いかがしたのだ、お前は耳が聞こえないのか? 手に持っている花を見せろと申しているのだ」
大妃が苛立ったように甲走った声を上げた。
尚宮の咽からヒュッと息が洩れた。万事休す! その場の誰もが一様にそう思った。
「聞こえぬのか。その花束を見せよと申しておる」
その言葉がそも誰に向けられたのかは一目瞭然であった。一同の視線が一斉に明姫に集中する。明姫はその場に立ちすくんだ。あたかも皆の視線が同時に自分に突き刺さってくるような恐怖と圧迫感を憶えた。我知らず身体が震える。
「いかがしたのだ、お前は耳が聞こえないのか? 手に持っている花を見せろと申しているのだ」
大妃が苛立ったように甲走った声を上げた。