この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第7章 第二話 【桔梗の涙】 異変
「お珍しいこと。殿下が私の許にお越し下さるとは」
実は昨夜、寝所で明姫に
―少しは中殿さまや他のご側室たちの許にもお行きくださいませ。
と懇願されたという経緯があったのだけれど、流石にそんな馬鹿げたことを口にはしない。
「たった今、食事を終えたところにございます。〝内訓〟でも読もうかと思っておりました」
これは事実をありのままに口にすると、王は破顔した。
「そなたほど教養の備わった女人であれば、今更〝内訓〟など読まずとも良かろうものを」
実は昨夜、寝所で明姫に
―少しは中殿さまや他のご側室たちの許にもお行きくださいませ。
と懇願されたという経緯があったのだけれど、流石にそんな馬鹿げたことを口にはしない。
「たった今、食事を終えたところにございます。〝内訓〟でも読もうかと思っておりました」
これは事実をありのままに口にすると、王は破顔した。
「そなたほど教養の備わった女人であれば、今更〝内訓〟など読まずとも良かろうものを」