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遠い日の約束。
第3章 言い伝え
次の日の朝一番に麻耶を連れて相良家に向かい、麻耶の両親と三人で話をする。
もちろん、両親が許すはずもない。
葉月が好いていたのは美弥のはず。
なぜ麻耶なのかと問い詰めるが「結婚します」としか言わない。
そんな葉月を見て母親は、「妊娠が本当かどうか決まってから話をしましょう」と話をおさめた。
話が終わり、葉月が部屋から出ようとドアを開けた時、ドアの向こうには美弥が呆然と立っていた。
全てを聞いた美弥は、信じられず、心が追いつかずに倒れてしまう。
その時に美弥は夢を見る。
葉月と麻耶と小さな女の子が楽しそうにしている姿を…
うらやましくてうらやましくて心が張り裂けそうになる。
私を捨てないで、麻耶より私を選んでと口に出そうになった。
その時、手にずしりと重さが乗る。
見てみると血を流した…先ほどまで葉月と一緒に居た少女が美弥の手の中で息絶えていた。
咄嗟に放り投げ、後ずさりする美弥に麻耶は告げる。
『姉様が殺した…姉様が殺した』と
それは自分が2人の中を引き裂いた結果なのだと美弥は悟った。
自分が我儘を言えば、この少女の命を奪ってしまうのだと…
目を覚ました美弥は葉月に告げた。
『麻耶を大切にしてください』と…
それから何事もなく過ぎていく。
ぎこちない関係でも義理の家族として美弥は葉月と接していく。
子供が生まれ、蘭子と名付けられる。
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