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遠い日の約束。
第3章 言い伝え
俊樹さんの澄んだ瞳をみつめたまま、私は…彼のスエットの中に手を入れて俊樹さんのモノに触れ、優しく…ガラス細工でも触るように握りしめた。
先の方を触ってみるとヌルリとした液体が手についた。
それが何なのか分かっている。
クリクリと指先で回すと俊樹さんの口から吐息が漏れる。

「ハァ……。酔ってるね…」

私の頭に手が回り引き寄せられて、俊樹さんの首筋に顔を埋めた。

「酔って…ません…」

「酔ってるよ…さぁ…もう寝よう…」

酔ってませんよと何度も言うが…それは言葉にはなっていなかった。
夢と現実の狭間にいた私は半分以上夢の中にいた。

「好きです…俊樹さん…愛して…います…」

無意識に心の声は口から零れ落ちる。
それを知ることはない。
ただ心の中でつぶやいたと私は思っていた。

「私も愛してる…早く…思い出して…」

私の言葉を受け取った俊樹さんが私を抱きしめて私の耳に言った言葉は聞こえていなかった。
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