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遠い日の約束。
第4章 本当の気持ち
「部長さんも一緒に行きましょう?」
篠原さんは俊樹さんの腕を離し、今度は部長にモーションをかけ始めた。
俊樹さんと食事ができるのなら部長も一緒で構わないと思ったようだった。
「まぁ…こんなおじさんが参加してもいいのなら…」
最後の砦が崩壊した瞬間だった。
俊樹さんの大きな溜息が私の机まで聞こえた。
顔を見れば、憔悴しきった顔で『ごめん』と唇が動いた。
私は『頑張って』と返して他人事のように憐みの目で見ていた。
だけど、気が気ではない。
部長が一緒だと言っても、他の女性とお酒を飲みに行く姿を平気で見送れる程、大人でもなく…かと言って行かないでと言える関係でもなかった。
部長が俊樹さんの所に行き、「悪いな」と言って手を置いた時、私と部長の目がぶつかった。
そして部長は怪し気に笑う。
「草野。お前も来い!!」
その瞬間、ふたりの女性の顔つきが変わった。
私を見る目が鋭くなり牽制されているような気がした。
いや…ようなではなく確実に牽制されてる。
その気持ちも分からなくもない。
やっと食事に行けるのに他の女が一緒では嫌に決まってる。
篠原さんは俊樹さんの腕を離し、今度は部長にモーションをかけ始めた。
俊樹さんと食事ができるのなら部長も一緒で構わないと思ったようだった。
「まぁ…こんなおじさんが参加してもいいのなら…」
最後の砦が崩壊した瞬間だった。
俊樹さんの大きな溜息が私の机まで聞こえた。
顔を見れば、憔悴しきった顔で『ごめん』と唇が動いた。
私は『頑張って』と返して他人事のように憐みの目で見ていた。
だけど、気が気ではない。
部長が一緒だと言っても、他の女性とお酒を飲みに行く姿を平気で見送れる程、大人でもなく…かと言って行かないでと言える関係でもなかった。
部長が俊樹さんの所に行き、「悪いな」と言って手を置いた時、私と部長の目がぶつかった。
そして部長は怪し気に笑う。
「草野。お前も来い!!」
その瞬間、ふたりの女性の顔つきが変わった。
私を見る目が鋭くなり牽制されているような気がした。
いや…ようなではなく確実に牽制されてる。
その気持ちも分からなくもない。
やっと食事に行けるのに他の女が一緒では嫌に決まってる。