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遠い日の約束。
第4章 本当の気持ち

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───…

「立花さん、仕事終わりましたか?」

篠原さんが終業時刻とともに営業課まで姿を現した。
逃がさないわよとばかりに俊樹さんの横の空いている席に勝手に座って腕を絡めていく。

「もう少しですから…少し離れてもらえますか?」

物腰柔らかく、絡められている腕を解いてPCに向かって仕事を始めた。
その横で机に肘をついて仕事をしている横顔を見て微笑んでいる姿は、どうみても乙女の顔だった。
そんな篠原さんを見てるとイライラとしたものが込み上げてくるので極力見ないようにして残りの仕事を終わらせるべく集中する。

「なぁ…あいつ飲みに行くのか?」

いつの間にか私の後ろにいた春馬が声を潜めて聞いてきた。
逃げ出した春馬はその後の成り行きを知らない。

「部長がね。行けって言いだして…」

「ふ~ん…華はそれでいいんだ」

誰にも聞こえないように名前で呼んだ。
久しぶりに名前で呼ばれて心がズキンッと反応する。
もう大丈夫だと思っていたのに名前で呼ばれると思い出してしまう。

「華?」

呆けている私の名前を呼ぶ。

「えっ…あっ…ごめん。で…それでいいって?」

「ん?他の女と立花が飲みに行ってもいいのかって話」

慌てて話に戻った。
でも、どうしてそんなことを私に聞いてくるのか分からなかった。
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