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遠い日の約束。
第4章 本当の気持ち
和食と言っても日本食ではなく、若者でも入れそうな今時の店だった。
一番奥の座敷に通されて座る。
もちろん、真ん中に春馬と俊樹さんを座らせて端に篠原さんと早坂さんが座った。
その前に部長と私だった。
どうみてもお邪魔虫な私たち。
とりあえず目立たないようにしようと決めた。
瓶ビールが運ばれてきて目の前の4人は置いといて部長にお酌する。
私のコップにも注いでもらいながら半分でいいとお願いした。
そうすると春馬がすかさず店員を呼び飲み物のメニューをもらい差し出してくれた。

「あら…草野さんってお酒飲めないの?」

馬鹿にしたように見下した言い方をする。

「アルコール苦手で…」

「だったら来なければいいのに」

ストレートの反撃に気持ちが萎えそうになる。
作り笑いを浮かべオレンジチューハイを頼んだ。
とりあえずはビールで乾杯。
篠原さんと早坂さんは隣にいる俊樹さんと春馬と部長と乾杯して私を無視して飲んでいく。
分かっていたことだけど、つまらない。
篠原さんは俊樹さんに、早坂さんは春馬に身体を押し付けながら話込んでいた。
私と部長は運ばれてくる料理に箸を付けながら時をやり過ごす。
だけど私の心は穏やかではない。
春馬の手を握り詰め寄る早坂さん。
俊樹さんの腕に自分の腕を絡ませ名前で呼んでくださいと甘える篠原さん。
私の……触らないで!
と嫉妬心が湧く。
だけど、どちらに湧いているのか分からない。
春馬なのか俊樹さんなのか。
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