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遠い日の約束。
第4章 本当の気持ち
春馬のグラスが空になりかけた時、漸く春馬が口を開いた。

「お前…幸せか?」

唐突な質問に驚き何も言葉が出なかった。

「俺は…華の幸せを願ってる…華が幸せならそれでいい…」

カランと氷水の氷が躍る。

「立花は…優しいか?」

ゆっくりと顔を私の方に向けて真剣な瞳で私を見つめる。
少しお酒に酔っているのか春馬の瞳が潤んでいる様に見えた。

「立花…さん?」

立花さんとのことは誰にも言っていない。
言える関係でもなかった。

「見てたら分かるよ。ふたり付き合ってるんだろう?」

「つっ…付き合ってなんかいないよ」

思いっきり動揺しているのが自分でも分かった。

「いいよ。俺に気を使わなくても……大将同じものを」

開いたグラスを差し出して同じものを注文した。

「気を使ってるとかじゃなくて…本当に何もないよ…」

何かあって欲しいと思うのは私だけ。
だけど、キャンプで近づいたと思った距離も私の錯覚で何ら変わらない。

「そうか?立花はお前のこと好きだと思ったんだけどな…お前も惹かれてるんだろう?」

新しいグラスを受け取りながら一口飲む。
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