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遠い日の約束。
第1章 運命の出会い
「ごめん…」

震えている私に気がついて春馬が謝ってくる。
大丈夫と告げようと顔を上げると、申し訳なさそうに顔を歪めていた。

「春馬のせいじゃないよ。この店は来たかった場所だから…連れてきてありがとう」

感謝の気持ちを込めて、春馬にキスをする。
先ほどの余韻が簡単に沸き起こってくる。
いつ店の人があがってくるか分らないのに、たまらず舌を絡ませる激しいキスを始めた。
波の音と、卑猥な音が混ざり合い、私の耳元に響く。
きっと、波の音を聞けば、春馬との激しいキスを思い出すだろう。
記憶を上塗りするように激しいキスを繰り返した。

――トントントントン

下から人が上がってくる靴音がする。
慌てて春馬から離れて椅子に座った。
春馬は何もなかったかのようにテーブルに肘を乗せて海を眺めていた。

――トントン

ドアがノックされ人が入ってくる。

「下がごたついちゃっててごめんなさいね」

身長の高い綺麗な女性が入ってきた。
春馬の顔を確認すると、ニコッと笑って近づいてくる。

「こっちこそ、無理言って申し訳ない。」

席を立ち、軽く会釈する春馬につられて私も頭を下げた。
彼女も私に気がついて軽く会釈をしてくれた。

「一時間ぐらいでしたよね。それぐらいで終わるようにコース料理運びますね」

彼女はそれだけを告げると下に戻って行った。
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