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遠い日の約束。
第1章 運命の出会い
ほどなくして他の店の人が前菜を運んできた。
木製のカッティングボードに生ハムとチーズ、キッシュに豚肉のリエットとバゲット、その付け合わせに色とりどりのピクルス。
宝石箱と言う名がぴったりの、まさに芸術に似た色彩と配列だった。
食べるのがもったないと思いながらリエットをバゲットに塗って口に入れた。
「おいしい…」
自然と口から零れる言葉。
口に広がる甘みが食欲を掻き立てる。
お酒が好きな人ならばワインと一緒に飲みたいと思うだろう。
お酒が弱い私は少し残念に思った。
「春馬はお酒飲みたくなったんじゃない?」
「だな。ワインと合いそうな物ばかりだから、夜に来れたらいいな」
「その時は私が運転するね」
にっこり笑って言うと、春馬の手が私の頭をわしゃわしゃと撫でて「ありがとう」と言う。
たった、それだけなのに私はうれしい。
春馬が笑っていてくれれば他に欲しいものなんてない。
食事を進めているとメインのビーフシチューが運ばれてきた。
部屋に充満する匂いだけで美味しさが伝わってきた。
スプーンで肉の塊をつついてみると、ホロリと崩れていく。
その崩れた肉をすくって口に入れた。
「…」
美味しくて言葉さえでない。
言葉の代わりに、春馬の腕をバシバシと叩いて美味しさを表現する。
「そんなに美味しい?」
木製のカッティングボードに生ハムとチーズ、キッシュに豚肉のリエットとバゲット、その付け合わせに色とりどりのピクルス。
宝石箱と言う名がぴったりの、まさに芸術に似た色彩と配列だった。
食べるのがもったないと思いながらリエットをバゲットに塗って口に入れた。
「おいしい…」
自然と口から零れる言葉。
口に広がる甘みが食欲を掻き立てる。
お酒が好きな人ならばワインと一緒に飲みたいと思うだろう。
お酒が弱い私は少し残念に思った。
「春馬はお酒飲みたくなったんじゃない?」
「だな。ワインと合いそうな物ばかりだから、夜に来れたらいいな」
「その時は私が運転するね」
にっこり笑って言うと、春馬の手が私の頭をわしゃわしゃと撫でて「ありがとう」と言う。
たった、それだけなのに私はうれしい。
春馬が笑っていてくれれば他に欲しいものなんてない。
食事を進めているとメインのビーフシチューが運ばれてきた。
部屋に充満する匂いだけで美味しさが伝わってきた。
スプーンで肉の塊をつついてみると、ホロリと崩れていく。
その崩れた肉をすくって口に入れた。
「…」
美味しくて言葉さえでない。
言葉の代わりに、春馬の腕をバシバシと叩いて美味しさを表現する。
「そんなに美味しい?」