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遠い日の約束。
第5章 忘れていた過去
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───…

朝方目を覚ましてみると、横には彩ちゃんがいた。
いつの間に潜り込んで来ていたのか気がつきもしなかった。
私の横で幸せそうに眠る彩ちゃんを見て私の表情も自然と綻ぶ。
たった2日間しか一緒にいなかったけど私の心は満たされ、時が流れていることを感じた。
止まっているのは私だけで、そのせいで辛い思いばかりさせてきた。
私が思っていた以上に彩ちゃんは悩み苦しんで居たのだろうとお義兄さんの言葉で分かった。
私がでできることは私が幸せになること。
幸せにならなくてもその努力をする事がきっと幸せな未来につながるのだと教えてもらった。

「んんん…華…ちゃん…おは…よ…」

一瞬、目を覚ました彩ちゃんは私の腰に腕を回してまた眠りに落ちる。
小さい頃と変わらない寝起きの悪さは大人になっても変わることはない。
変わって良いものと、変わらないで良いもの。
変わらないといけないものと、変わらないでいいもの。

「これは…変わらないといけない事よね」

布団の中に手を入れて華ちゃんの脇の下をコチョコチョすると、一瞬にして目が覚める。

「もう華ちゃん!!!そんな起こし方嫌い!」

プンプンと怒りながらも私に抱き付いてくる。
私も抱き付いて彩ちゃんの温もりを感じた。

「彩ちゃん…私、頑張るから…幸せになれるように頑張る」

その言葉を聞いて、抱きしめる彩ちゃんの腕に力が入った。
私たちふたりの間には言葉はいらないから。
思っていることは心で通じて繋がってるから。
今日と言う日が終わってしまたら当分会えないことが分かっている私たちは時間が許す限り抱き合ってお互いの体温を感じていた。
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