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遠い日の約束。
第7章 囚われた過去
「氷が割れてね……華は私の視界から消えた。…恐かった。もう二度と会えないんじゃないかって思うと怖くて…無意識に飛び込んでいた。はじめは一緒に這い上がろうともがいた。だけど子供の私では華と一緒に這い上がることはできなかった。だから、華だけでも助けたいと華だけを押し上げたけど、押し上げるたびに氷が割れて冷たい湖の中に沈んだ…冷たい水に晒された華は私の腕の中で次第にぐったりして…このまま死んでしまうと思った…このまま死んじゃうのかな…ひとりで死んじゃうのは寂しいだろうな…って子供心に思ったよ…だったら一緒に沈むのもいいのかもしれない。この手を離さず一緒に沈むのもありかもしれないと…そう思って華を助けることを……やめた…両手で華を抱きしめて…全てをあきらめようとした。結局はおじさんに助けられたけど…私は…私は……」

俊樹が私の顔を見て、寂しそうに笑った。
その瞬間に、その先の言葉を言わせてはいけないような気がした。
だけど、私が何かを言う前に俊樹は搾り出すような言葉である一言を告げた。

「華を殺そうとしたんだ…」

その言葉を聞いて全身に鳥肌がたった。

「助けられたかもしれないのに諦めて、この手で華を…殺そうとした…」
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