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遠い日の約束。
第7章 囚われた過去
「…華を見つけた時、うれしかった。まさか出会えるとは思っていなかったから。それも同じ会社で働けて私の補佐について。けど…助けることを諦めた私が傍にいてもいいのかと迷った。迷ったけど…どんどん惹かれていく私がいた。どんなに惹かれても、華の命を諦めてしまった事が枷になり、もし当時の事を覚えていたらと思うと言い出せなくなっていた…。そんなことを考えてると、華と三宅さんの関係に気がついたよ。だけど三宅さんは既婚者で、子供も生まれると聞いた。そんな時に、三人で飲みに行くことになったよね。」

それは私が俊樹に抱かれる覚悟をした日のことだった。
あれからすべてが動き出した気がする。
あれがなければ私が俊樹に恋をすることもなかった。

「そうだね…あれが…始まりだった。だけど、どうしてあんな事を言ったの?」

俊樹が私の腕の中から顔を出して私を見つめる。

「…最低なこと言ったと分かってる」

そして瞳を閉じて語る。

「…トイレで席を外した時にふたりの話を聞いてしまった…好きなのに三宅さんから離れようと頑張っている華を見てどうにかしてあげたいと思った。だから、あんな提案をした…。私は嫌われても良い…この冬が華にとって辛い冬にならなければ嫌われても良いと…脅すようなことまでした…」
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