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遠い日の約束。
第7章 囚われた過去
あの脅しとも言える裏にそんな想いがあったなんて気がつきもしなかった。
はじめから優しく私を包み込む愛情の裏に、こんなにも悲しい想いが込められていたと思うと、私の心も引き裂かれそうに辛かった。
そんな私の心を癒すかのように俊樹は言った。

「だけどね、嬉しかったよ。」

俊樹の瞳が再度私を見つめ、流した涙を拭きもしないでかすかに笑う。

「私に気持ちがなくても、心がなくても、もう一度私の腕で抱きしめることができたから、それだけで幸せだった…だけど一緒にいればいるほど辛らくなる。だって…華が三宅さんに運命を感じていたのも知っていたから。その瞳が私を見つめてくれることはないだろうと諦めていた。諦めても…一緒に生活する中で、華への思いは募るばかりだった。一緒にいる期間が冬から春までになったときはうれしかった。もう少し一緒にいられると安心したよ。毎日が楽しかった。家に帰れば華がいて、週末は一緒にでかけて、私の恋人じゃないかと錯覚するほどだった。だけどね、幸せの時間はきっと消える。偽物は必ず消えてなくなってしまう…もし華が昔の事を思い出して、しゅうが私と分かった時、華は私の前から消えてしまうじゃないかと不安でいっぱいだった。」
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