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遠い日の約束。
第7章 囚われた過去
「あの時は…それだけで幸せだった…抱きしめて一緒に寝れて…華が望んで抱かれているわけないのに…自分の欲望だけを押し付けて…やっぱり最低なことをした…」

また同じ事の堂々巡りだと思った。
俊樹はずっと後悔だけを胸に積み重ねていきそうで恐くなる。

「最低じゃないよ。…あの時はそれで私は救われたの。あの時、迎えに来てくれたよね。すごくうれしかったしホッとしたの…ひとりだったらきっと絶えられなかった。ずるずると関係を続けることもできずに、かと言って断ち切ることも出来ずに私は…どうなってたか分からない…それを救ってくれたのは俊樹だよ。俊樹がいたから苦しまずに春馬を忘れられたの。私を傍によんでくれてありがとう」

そう。
あの時は、俊樹の腕の中で泣いて甘えて寂しい思いをせずにすんだ。
毎日一緒にいることで春馬への思いは意外と早く消えてなくなった。
ひとりだったら今だに思い続けていたと思う。
だからあの時、無理やりにでも傍に呼んでくれて正解だった。

「俊樹がすることは意味があるんだよ。だから最低なことしたって思わないで?私が泣かずにいられるのは俊樹のおかげなんだから」

俊樹の表情が緩む。

「華は私を癒すのが上手だね…華の言葉は私を救ってくれる…」
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