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遠い日の約束。
第1章 運命の出会い
1つ目の駅が過ぎた頃に携帯の音が鳴りだし、慌ててバックから取り出して画面を見てみると春馬からだった。
電車の中ということで口元に手をあてて電話にでた。

「もしもし?」

『華?電車?』

「うん…」

『だったら聞くだけ聞いてて』

「うん」

『さっき部長に電話した。探し物が見つからずに時間がかかって、華を今電車に乗せたって。そしたら、そのまま直帰して構わないって伝えてくれって』

「直帰?」

不思議に思って聞き返すと、一瞬間が空く。

『…と言うか…調子悪そうだから直帰させていいか聞いたら、即OKしてくれた…ごめんな』

「…」

『こんな時に1人にさせてごめん…あんなLIEN見せるべきじゃなかった…俺のミス…ごめん』

何度も「ごめん」と口にする。
春馬が悪いわけじゃない。
奥さんがいるのを承知でつきあっている私が悪い…

「謝らないで…今日はずっと一緒に居てうれしかったから…ありがとう」

涙が出そうになるのを必死に隠す。
これ以上、苦しめるわけには行かなかった。

「お言葉に甘えて、このまま帰るね…春馬も仕事頑張って?」

『本当に大丈夫か?』

「大丈夫だよ。さっきは急なことでびっくりしただけ…初めから分かり切ってたことだから…気にしないで」

『そっか…ごめんな。また電話するから…』

「うん。待ってる…じゃ」

『ああ…』

後ろ髪惹かれる想いで電話を切った。
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