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遠い日の約束。
第1章 運命の出会い
会社に戻らなくていいと分かると緊張の糸がプツンと切れ、電車の揺れと共にぐらりと視界が歪みフワッと身体が浮いた。
「大丈夫!?」
後ろから肩を掴まれ、視界が戻ってくる。
浅い息をしながら振りむくと知らない男性が私を支えてくれていた。
「気分が悪いなら座りますか?」
優先席が一つ空いている場所に私を促そうと男性の手が私の手に触れた瞬間、静電気が起こったかのようにパチッと音が鳴り男性は手を引っ込めた。
触られた私の指も熱を帯びていた。
「静電気…びっくりしましたね…」
男性は手を擦りながらおどろいた顔で告げた。
「大丈夫ですか?」
今度は私が男性を心配する番だった。
男性は笑顔で『大丈夫』とエクボを作って笑った。
少年のような笑顔に魅了された。
そして、この笑顔を知っていると私の心は訴えかける。
どこでだろうかと考えても思いだせない。
けど確かに知っている。
懐かしいような感じだけが強くなる。
「あの…どこかで、お会いしてませんか?」
「えっ…えっと…」
男性は困ったような顔をして言葉を濁す。
「ごめんなさい。唐突に…どこかで会ったような気がしたので…私の気のせいですね。申し訳ありません。」
軽く会釈をして俯いた。
男性は「いえいえ」と言ってお互い口を閉ざし、私は優先席に座ることにした。
「大丈夫!?」
後ろから肩を掴まれ、視界が戻ってくる。
浅い息をしながら振りむくと知らない男性が私を支えてくれていた。
「気分が悪いなら座りますか?」
優先席が一つ空いている場所に私を促そうと男性の手が私の手に触れた瞬間、静電気が起こったかのようにパチッと音が鳴り男性は手を引っ込めた。
触られた私の指も熱を帯びていた。
「静電気…びっくりしましたね…」
男性は手を擦りながらおどろいた顔で告げた。
「大丈夫ですか?」
今度は私が男性を心配する番だった。
男性は笑顔で『大丈夫』とエクボを作って笑った。
少年のような笑顔に魅了された。
そして、この笑顔を知っていると私の心は訴えかける。
どこでだろうかと考えても思いだせない。
けど確かに知っている。
懐かしいような感じだけが強くなる。
「あの…どこかで、お会いしてませんか?」
「えっ…えっと…」
男性は困ったような顔をして言葉を濁す。
「ごめんなさい。唐突に…どこかで会ったような気がしたので…私の気のせいですね。申し訳ありません。」
軽く会釈をして俯いた。
男性は「いえいえ」と言ってお互い口を閉ざし、私は優先席に座ることにした。