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遠い日の約束。
第8章 嫉妬と不安
駅に到着して電車が入ってくると繋がれていた手は自然と離れる。
電車内では誰に見られるか分からないから。
別に内緒にしているわけではない。
だけど、気恥ずかしくて会社の人には伝えてはいない。
だから、春馬だけには伝えたかった。
色々あったにせよ、今は私の幸せを願ってくれるひとりなのだから。
コトンコトンコトンと電車は揺れる。
それに合わせて私の身体は俊樹に引き寄せられ密着する。
その胸に身体を預け、手を繋げない寂しさを癒す。
30分も揺られると降りる駅に到着した。
ここでは大半の人が降りるので、その波に乗れば簡単に改札口まで流される。
最近は俊樹とはぐれないように気をつけながら、今日も波に流されて改札口を出た。
お互いが改札口を出たのを目で確認して、別々に歩いて行く。
この時は少し寂しかったりする。
彼の後ろ姿を追いながら、ある一定の距離を保って歩く。
「草野。おはよう」
後ろから春馬が声をかけてきた。
反対側から電車で通勤してくる春馬とは、たまに会う。
「前にいるの立花だろう?」
目の前を歩く俊樹の姿を確認して私の方を見て不思議そうな顔をした。
それを気にしないふりをして今日の予定の確認をする。
「今日はずっと社内だよね」
「その予定だけど?」
一緒に歩きながら話す。
電車内では誰に見られるか分からないから。
別に内緒にしているわけではない。
だけど、気恥ずかしくて会社の人には伝えてはいない。
だから、春馬だけには伝えたかった。
色々あったにせよ、今は私の幸せを願ってくれるひとりなのだから。
コトンコトンコトンと電車は揺れる。
それに合わせて私の身体は俊樹に引き寄せられ密着する。
その胸に身体を預け、手を繋げない寂しさを癒す。
30分も揺られると降りる駅に到着した。
ここでは大半の人が降りるので、その波に乗れば簡単に改札口まで流される。
最近は俊樹とはぐれないように気をつけながら、今日も波に流されて改札口を出た。
お互いが改札口を出たのを目で確認して、別々に歩いて行く。
この時は少し寂しかったりする。
彼の後ろ姿を追いながら、ある一定の距離を保って歩く。
「草野。おはよう」
後ろから春馬が声をかけてきた。
反対側から電車で通勤してくる春馬とは、たまに会う。
「前にいるの立花だろう?」
目の前を歩く俊樹の姿を確認して私の方を見て不思議そうな顔をした。
それを気にしないふりをして今日の予定の確認をする。
「今日はずっと社内だよね」
「その予定だけど?」
一緒に歩きながら話す。