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遠い日の約束。
第8章 嫉妬と不安
俊樹ともまた違う感覚に眠っていた別の感覚が蘇って来そうだった。
それを振り払うかのように頭をブンブンと振って仕事を始めた。
だけど集中できない。
春馬の耳にかかる息が忘れられない…
どんなに集中しようとしても集中できずに時間だけが過ぎていった。
終業時間が迫った時に、部長たちが戻ってくる。
心配そうに三人に顔を向けると春馬が頷いて大丈夫だよと無言で語りかけてくれる。
それに気がついてホッとする。
大和さんが席に着いた部長と春馬に何度も頭を下げて謝っているのがかわいそうになるぐらいだった。

「おい!三宅、大和のみに行くぞ!草野もつきあえ」

部長の一言で飲みに行くことが決定した。
誰かがミスった時は、気分が落ちないように部長は飲みに誘う。
かと言って、仕事の話をするわけではない。
仕事の事には触れずにただ親睦のためだけに開かれた感じになる。
飲み会会場は会社近くの居酒屋。
良く使うお店で大将とも顔なじみで一番奥の部屋に通された。
一応、この店に来る途中に俊樹にはLINEは送っておいたがいまだに既読にはならない。
夜に春馬と会うことを嫌がった俊樹。
だけどこれは部長命令だから大丈夫だよねと自己完結し、運ばれてきたビールで乾杯をする。
もちろん私は酎ハイをチビチビと飲み、三人のペースに巻き込まれないように用心した。
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