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遠い日の約束。
第8章 嫉妬と不安
そのままテーブルに置こうとするとそれを阻止された。

「やっぱり飲めないんですか?」

全部飲み終わるまで開放してもらえないと分かり、渋々とコップに口をつけた。
そして一気に喉に流し込む。
それを見た春馬が慌てる姿が目の端で分かったけどもう遅い。
早めに止めてくれなかった春馬が悪い。
と悪態をつきながら全てを呑み切った。
そのグラスにまた注ごうとしているのを今度は春馬が止めた。
私の手からコップを奪うと無言で部長に渡し、目で大和さんに合図する。

「あっ…はい。部長飲んでください。今日はとことんつきあいます!!」

などと言いながら大和さんの視線は部長に向く。
部長は春馬を睨みながら渋々と大和さんの相手をし始めた。
少しの間そんなふたりを見ているとフワフワと身体が軽くなってくる。
これは酔ってしまったなと自分でも分かる。
どうにかして理由をつけて帰りたいと思いだした頃だった。

「部長、そろそろ俺ら帰りますよ」

鞄を持って立ち上がった春馬が部長に向かって声をかける。
一同が春馬を見て一瞬静まり返る。

「ほらっ。草野帰るぞ」

私のカバンを持ち、腕を取られて立たされる。

「おまっ…こいつ置いて帰るのか?」

慌てた部長が大和さんをこいつ呼ばわりする。
それを見て春馬は楽しそうに笑って告げた。
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