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遠い日の約束。
第8章 嫉妬と不安
カウンターの中では手際よくカクテルが作られてく。
そして私の目の前にはワイングラスが差し出された。

「スプリッツァーです。白ワインをソーダ―で割ったカクテルです。女性に人気ですので気に入っていただけるかと。春馬さんは、いつものターキーです」

「ありがとうございます。」

お礼を言うとバーテンダーさんは微笑んで他のお客さんの所に移動する。

「じゃあ、とりあえず、乾杯」

春馬の言葉で慌ててワイングラスを手にして春馬のグラスにカチンと合わせて一口飲んでみる。
さっぱりとした口当たりで飲みやすかった。

「おいしい」

春馬の顔を見て告げると、嬉しそうに笑っていた。
その笑顔を見て恥ずかしくなる。

「何、今更赤くなってんだよ…で?話って何だよ」

ウィスキーのグラスを傾けながら春馬は聞く。
改まって聞かれると言い出しにくくなる。
黙っていると春馬の手がまた髪の毛に触れた。
クルクルと髪の毛を巻き取ったりと昔と変わらない仕草。
私は、こんな風にされるのが好きで、抱き付いて寝てる時も髪を撫でてもらっていた。
それが安心できて心穏やかになれた。
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