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遠い日の約束。
第8章 嫉妬と不安
「華…言いたいことは言わないと…後悔するぞ?」
顔を上げて春馬の顔を見ると「ほらっ、言ってみ~」と言われているようだった。
だから自然と言葉が口に出る。
「俊樹と…立花さんとつきあいだしたの」
髪を撫でいた手が止まった。
そして寂しそうな瞳が私に向く。
「色々あって…一緒に住んでるの…ごめんね…」
どうしてか謝ってしまった。
別に悪いことをしたわけではない。
きちんと別れたあとにつきあいだしたから謝ることでもないのに…謝ってしまった。
「幸せか?」
フッといつもの優しい表情に変わる。
「うん。大事にしてもらってる…こんなこと報告されても嫌かもしれないけど…春馬にはずっと心配かけてきたから、どうしても話しておきたくて…ごめんね」
ワイングラスに口をつけてチビチビ飲みながら告げた。
「安心したよ。お前を守ってくれる人ができて…まぁ、それが俺じゃないのが悔しけどな…」
春馬の手の中にあるグラスの氷がカランと音を立て、ふたりの間には沈黙流れる。
変わってはいないのに店内に流れるジャズの音が大きくなった気がした。
「ねぇ…今、奥さんってこっち?」
「…いや…戻って行ったよ…向こうで産むらしい……なんか他人事見たいなんだよなぁ…実感がない」
殻になったグラスを置いて、カウンターを軽くノックするとバーテンダーさんがやってきた。
「同じのを…華は?同じのでいい?」
時間を気にしながらも頷いた。
顔を上げて春馬の顔を見ると「ほらっ、言ってみ~」と言われているようだった。
だから自然と言葉が口に出る。
「俊樹と…立花さんとつきあいだしたの」
髪を撫でいた手が止まった。
そして寂しそうな瞳が私に向く。
「色々あって…一緒に住んでるの…ごめんね…」
どうしてか謝ってしまった。
別に悪いことをしたわけではない。
きちんと別れたあとにつきあいだしたから謝ることでもないのに…謝ってしまった。
「幸せか?」
フッといつもの優しい表情に変わる。
「うん。大事にしてもらってる…こんなこと報告されても嫌かもしれないけど…春馬にはずっと心配かけてきたから、どうしても話しておきたくて…ごめんね」
ワイングラスに口をつけてチビチビ飲みながら告げた。
「安心したよ。お前を守ってくれる人ができて…まぁ、それが俺じゃないのが悔しけどな…」
春馬の手の中にあるグラスの氷がカランと音を立て、ふたりの間には沈黙流れる。
変わってはいないのに店内に流れるジャズの音が大きくなった気がした。
「ねぇ…今、奥さんってこっち?」
「…いや…戻って行ったよ…向こうで産むらしい……なんか他人事見たいなんだよなぁ…実感がない」
殻になったグラスを置いて、カウンターを軽くノックするとバーテンダーさんがやってきた。
「同じのを…華は?同じのでいい?」
時間を気にしながらも頷いた。