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遠い日の約束。
第8章 嫉妬と不安
「立花?俺、三宅」

奪ってそのまま話し出してしまった。
慌てて奪い返そうとしても、春馬の手が私の肩を押して届かないようにする。

「ちょっと…春馬、返して」

俊樹に聞こえないように小さな声で言っても、意地悪そうな顔をして返そうとしない
それどころか私と俊樹で遊んでるように見える。

「華、そんなに暴れるなって……ああ?今?どこだろうなぁ~…夜景の綺麗な場所でふたりで飲んでるぞ!!……お前でも怒るんだな」

「誤解するような事言わないで!」

ついつい大声をあげてしまい、完全に電話の向こうの俊樹に聞こえてしまう。
取り返すのは無理だと諦めて、私の身体を押している手を何度も叩いて反撃した。

「痛って~…。華、暴れるなよ…で、お前今どこ?………意外と近いな。華に今いる住所送らせるから迎えに来いよ……さぁな!早く来ないとふたりで消えるかもな。そういうことだから、せいぜいヤキモキしてろ」

電話を切ったスマホを私の手元に戻されても、もう遅い。
きっと俊樹は怒ってる…いや、心配でたまらないって顔をしてるはずだと申し訳なく思う。
シュンとしていると春馬の手が私の頬に触れた。
ドキドキするのは変わらないけど、今は俊樹の事が気になってしょうがない。
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