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遠い日の約束。
第8章 嫉妬と不安
「これ送ってやれよ。歩いてこれる距離だから、すぐに来るんじゃないか?」
カウンターの上から名刺を一枚差し出されて慌てて写真にして送った。
すぐに既読になった。
「お前、愛されてるんだな。いつもクールな立花が焦ってたよ」
楽しそうに笑うものだから怒りが込み上げてくる。
「なんであんな事言うのよ。言い方ってあるでしょう!!」
「声のトーン押さえて」
ついつい大きな声を出してしまった私を春馬は諭す。
それにイラッとしたけど、こんな夜景の綺麗なバーの雰囲気を壊すわけには行かず、かと言って、怒りが収まることもなく、春馬と反対側を向いて黙ってカクテルを呑むことにした。
その時、春馬がどんな顔をしていたかなんて知らない。
知っていたら、もっと春馬と話していたら、彼の苦悩を癒してあげれてたのかも知れない…
春馬の手の甲で私の頬を撫でる。
自分でも分かるほど、ビクッと身体が震えた。
それでも無視してカクテルを呑んでると春馬は大げさに溜息を付く。
「さっき…立花からの電話でどう言い訳するつもりだったわけ?」
そう言われて考えてみれば、言葉に詰まって何も言えなかったことを思い出す。
しどろもどろで結局何も言えずにいたに違いない。
「嘘下手だからな…華は。だったら初めから正直に話してた方がいいんじゃないかと思ったわけよ。近くにいたら迎えに来させても良いし…まぁ…少し意地悪したけどな。そのくらいの権利はあるだろう」
春馬の言葉は全て頷けた。
カウンターの上から名刺を一枚差し出されて慌てて写真にして送った。
すぐに既読になった。
「お前、愛されてるんだな。いつもクールな立花が焦ってたよ」
楽しそうに笑うものだから怒りが込み上げてくる。
「なんであんな事言うのよ。言い方ってあるでしょう!!」
「声のトーン押さえて」
ついつい大きな声を出してしまった私を春馬は諭す。
それにイラッとしたけど、こんな夜景の綺麗なバーの雰囲気を壊すわけには行かず、かと言って、怒りが収まることもなく、春馬と反対側を向いて黙ってカクテルを呑むことにした。
その時、春馬がどんな顔をしていたかなんて知らない。
知っていたら、もっと春馬と話していたら、彼の苦悩を癒してあげれてたのかも知れない…
春馬の手の甲で私の頬を撫でる。
自分でも分かるほど、ビクッと身体が震えた。
それでも無視してカクテルを呑んでると春馬は大げさに溜息を付く。
「さっき…立花からの電話でどう言い訳するつもりだったわけ?」
そう言われて考えてみれば、言葉に詰まって何も言えなかったことを思い出す。
しどろもどろで結局何も言えずにいたに違いない。
「嘘下手だからな…華は。だったら初めから正直に話してた方がいいんじゃないかと思ったわけよ。近くにいたら迎えに来させても良いし…まぁ…少し意地悪したけどな。そのくらいの権利はあるだろう」
春馬の言葉は全て頷けた。