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遠い日の約束。
第8章 嫉妬と不安
「こわっ。…お前、何飲む?」
カウンターをコンコンと叩きバーテンダーを呼びながら、穏やかな声で何を飲むか俊樹に聞く。
この状況で俊樹が飲むわけもないのにと思っていると、私の横にドカッと座って、こっちにやってきたバーテンダーに注文する。
「俺も、同じのを。華は?もう一杯飲む?」
殻になったワイングラスを渡しながら聞かれたけど、俊樹の目線が怖くて頭をブンブンと横に振るだけに留めた。
なのに、春馬は勝手に私のを頼む。
ギロリと睨まれても春馬は動じない。
逆に俊樹は春馬の言葉に翻弄されてるように見える。
目の前にロンググラスがスッと差し出された。
俊樹はビール、春馬は相変わらずウィスキーだった。
乾杯もせずに俊樹は一気に飲み干して、ゴンと音を立ててカウンターに置いた。
その音に、店内にいた他の客の視線を集めてしまった。
「なぁ…華…今度、またふたりで飲み行こうなぁ」
春馬の手が私の頬に触れた。
その瞬間、がたんっと言う音と共に春馬の手をバシッと叩いて私の身体を自分の方に寄せる。
俊樹を見上げると、眉間に皺を寄せて威嚇していた。
カウンターをコンコンと叩きバーテンダーを呼びながら、穏やかな声で何を飲むか俊樹に聞く。
この状況で俊樹が飲むわけもないのにと思っていると、私の横にドカッと座って、こっちにやってきたバーテンダーに注文する。
「俺も、同じのを。華は?もう一杯飲む?」
殻になったワイングラスを渡しながら聞かれたけど、俊樹の目線が怖くて頭をブンブンと横に振るだけに留めた。
なのに、春馬は勝手に私のを頼む。
ギロリと睨まれても春馬は動じない。
逆に俊樹は春馬の言葉に翻弄されてるように見える。
目の前にロンググラスがスッと差し出された。
俊樹はビール、春馬は相変わらずウィスキーだった。
乾杯もせずに俊樹は一気に飲み干して、ゴンと音を立ててカウンターに置いた。
その音に、店内にいた他の客の視線を集めてしまった。
「なぁ…華…今度、またふたりで飲み行こうなぁ」
春馬の手が私の頬に触れた。
その瞬間、がたんっと言う音と共に春馬の手をバシッと叩いて私の身体を自分の方に寄せる。
俊樹を見上げると、眉間に皺を寄せて威嚇していた。