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遠い日の約束。
第8章 嫉妬と不安
いつも冷静な俊樹がこれだけ春馬に敵対視していたのは、どこか不安があったからだと今更ながらに気がついた。
つきあっていたことも、好きなのに別れてしまった事も知っている中で、会社では毎日顔を合わせ、親密に仕事の話をする間柄で不安に思うことは当たり前だった。
それを私は気がつかないでいた。
私の心はもう俊樹しか見ていないのだから、考えも及ばなかった。

「まぁ…今日は褒めて欲しいもんだよ。あのまま、あの飲み会にいたら、華がどうなっていたか…どんだけ飲む羽目になったと思ってるんだ?」

「そういえば、大和さんがミスったって聞きましたけど、大丈夫でしたか?」

「なんとかな…すぐに連絡入れてくれたから助かった。あれがもう少し遅かったら契約がパァになってたな…下手すると部長の首飛んでたよ…。まぁ…今回は大和が全面的に悪いわけじゃないけどな。それを分かってるから部長は飲みに誘ったんだけど…飲むわ飲むわ…俺に絡み、華に絡み…部長に押し付けて抜け出した。華には話があるって言われたから、ここに連れてきたんだけどな。知り合いの店だしな」

「そうだんったんですか…」

いつの間にか仕事の話になり、いつものふたりに戻っていた。
仕事になると仲良しなふたりは私から見ても羨ましい。
やはり、営業と営業補佐の隔たりは感じる。
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