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遠い日の約束。
第8章 嫉妬と不安
私は俊樹の腕の中でモゾモゾと動き抜け出した。

「それとさ。華…部長には報告しておけよな。ああ見て、華の事、めっちゃ気に入ってるから」

「そうなんですか?」

俊樹が驚いていた。

「まぁな。華を見る目が違うんだよな…もちろん好きとか愛してるとかそんなんじゃなくて…保護者みたいな??そんな目でみてる節があるんだよな。飲み会の時だって、必ずお前の横だろう?お酒に弱い華が酔いつぶれないように色々目を光らせてるよ。気がついてるんだろう?」

春馬の言い分はもっともだった。
いつも気にかけてくれている。
何かが起こる前に声をかけて手を貸してくれ、春馬の言う通り飲み会の時はいつも隣に座って心配してくれていた。

「そういえば…私と春馬がつきあってたの部長にばれてたみたい…」

「まじ?」

「うん…飲み会の時に言われたの…春馬は良い奴だけど、奥さんとはきっと別れられないから取る手を間違えるなって…あれって…俊樹の事?」

秘書課と受付の子と飲みに行った時に部長に言われた言葉。
今思えば、その相手は俊樹のことだったのかもしれない。

「まいったなぁ…観察力が半端ない…」

苦笑しながら、お手上げのポーズをとって、残っているウィスキーを流し込んだ。
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