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遠い日の約束。
第1章 運命の出会い
けれど、私の中に言い知れない想いが広がる。
それはとてつもなく寂しくて絶望に似た感覚。
全てをあきらめないといけない、やるせない気落ち。
ドクリドクリと私の心臓は鳴る。

『思い出せ』

と私の頭の中に声が響き渡る。

『最上級な最愛な想いを思い出せ』

と今度は強く響いた。
それと同時に、苦しくなる程に心臓がドクリドクリと鳴った。
私は堪え切れれず、崩れるように春馬の腕の中に倒れ込んだ。

「大丈夫か?」

切羽詰まった声が聞こえる。
けれど私は声も出ず、嫌な汗が額を流れる。

苦しい…

息ができない…

助けて…

助けて…

春馬が私の手を取り必死に何かを言っていた。
けど、苦しい中で私は思った。

この手ではない。
私の最後に手を握ってくれてた人はこの人ではない。と…

「……き…」

私は誰とも分からない人の名前を呼んだ。
そして苦しさから意識を手放した。
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